Y様 レッスン4回目 弾き語りレッスン
本日のサロン・ド・ボッサは、ギター弾き語りのY様。
ちょっと遅い明けましておめでとうございますのご挨拶をして、さっそく2023年のレッスン開始!
曲は引き続き、美しいワルツ、チト・マヂーの【Quero-te Assim(こんなふうに)】。
前回までのレッスンで1コーラス目の歌詞までは練習していたので、先にレッスンした部分を最初に歌っていただき、もう一度歌詞を振り返っていきながら2コーラス目に移っていきます。
ブラジル音楽の歌詞はポルトガル語です。
ほんと日本語には無い発音はもとより、スピード感や喉や表情筋の動き、などなど・・・・
そして言葉が文章になっていくと【リエゾン】が現れてきます。
【リエゾン】はフランス語で【連結】の意味。すごーく簡単に言うと、音と音がくっつく(語彙力。笑)事なのですが・・。
例えば英語だと“get up”。
日本の英語教育(私達の時代は)“ゲット アップ”って習いました。
でもネイティブの発音を聞くと“ゲラッ(プ)”みたいな感じで、getのtは消えてしまい、“ラ”の音が入り、uと繋がって発音されます。
日本語でも“洗濯機”は正確に発音すれば“せんたくき”ですが、【く】と【き】がリエゾンして“せんたっき”になりますよね。
こういうリエゾンは勿論、ポルトガル語の歌詞にも起こってきます。
歌詞でよく登場する【do amor】とかもdoの末尾の母音である“o”と、amorの文頭である母音の“a”がリエゾンして、“ドァモー”みたいな感じになっていくのです。(カタカナでは表現しきれませんが・・・)
“do”の“o”がとても小さな発音で、“amor”の“a”に飲み込まれるような感じです。
ただ、ここで重要なのが、飲み込まれるような感じはしても、けして“damor(ダモー)”という発音にはならない、という事。
とっても小さな音ですが“o”は存在していて、カタカナで書くと“ドゥァモー”、みたいな雰囲気でしょうか?(嗚呼、やっぱりカタカナでは書ききれない・・)
毎回繰り返しになってしまいますが、カタカナ≠外国語の日本語表記では無いんですよね。
カタカナは日本語なんです。
私は歌詞にカタカナのルビを付けてお渡ししてるのですが、本音を言えばカタカナ変換はしないで歌詞を読む練習をするのが一番いいなあと思っています。
Y様もやはりどうしても馴染みのあるカタカナを追ってしまう事、そしてメロディに合わせるべく、リエゾンの言葉の発音をちょっぴり端折ってしまったり、慣れない発音を言いやすく変えてしまう傾向があることが分かってきました。
これは発見できてラッキーな事!癖が分かれば、後はそこにどう向き合っていくかだけ。
全て伸びしろなのです♪
日々の生活もで思うところがありますが“美しくある”というのは、いつも何かしらのひと手間だったり、丁寧さだったりするのかな?と思います。
お料理の盛り付けでも、面倒くさいなーと何かを端折ったり丁寧さを欠いたりすると、思い通りの完成にならなかったりします。
なので、歌詞の発音も慣れないし面倒くさいかも知れませんが、ゆっくりと丁寧にやっていくと、ちょっと時間はかかりますが美しいものに近づいていくんじゃないかなあと信じてます。
この日のスイーツは時期の林檎を使ったミニアップルパイ。
このアップルパイもね、焼く前に生地の表面に卵黄を塗るんです。
塗らなくても味に遜色は全く無いのですが、この工程をする事で表面がツヤっとなり、美味しそうになりますよね。
こういうところ、演奏や音楽ととても近いなあと思うのです。
Y様、今回もレッスンお疲れ様でした。
早く新しい曲を演奏したい!と逸る気持ちはとても素敵。なぜなら私もそうだから。
けど、焦らない焦らない。
じっくり丁寧に取り組んだ楽曲は必ずやいい塩梅に仕上がってくはずです。
いつかY様とワインを飲み、語り合いながらレッスンしたいな。
なんかそこにとても大きな“美しさ”のコアが潜んでそう・・・